唐突ですが、当方仕事柄名古屋と関係性が深く、名古屋のお祭り「にっぱんど真ん中祭り(以降どまつり)」における「よさこい」出演者と接する機会があることから、「よさこい-vs-阿波おどり ~社員が語る踊りの魅力~」という企画を行ってみました。
ファシリテータとして、前回記事で紹介させて頂いた日本文化政策学会 第17回年次研究大会企画フォーラムの企画代表者であるお茶の水女子大研究員の中村まいさん、よさこいチームとして「ひなた」に登壇をお願いし、阿波踊りの連として「藤棚連」が登壇致しました。
登壇者
中村まい(ファシリテータ お茶の水女子大学 基幹研究院 リサーチフェロー)
よさこい・阿波おどりとも、日本を代表する大きなイベントで、下記の通り日本全国に広まっています。阿波踊りは主に主催イベント、よさこいは参加イベントを含んでいることから厳密な数の比較になりませんが、「よさこい」はやっていないところを数えるほうが早い、というくらい広まっています。
阿波おどり 14都道県63ヶ所(主に主催)2015年時点
よさこい 41都道府県123ヶ所(市民祭りに参加含む)2005年時点
名古屋ではよさこい「どまつり」が有名で、1999年に大学生約20名の実行委員会、26チーム4会場で初開催され、今は国内外から200チーム2万人、来場者数は4日間で200万人を誇る大きなイベントに成長しています。
「どまつり」はどのようにして急激に成長したのでしょうか?「どまつり」の特徴を伺って面白いと思ったのが「どまつり性」です。
「どまつり性」というのは、「どまつり」のこだわる軸のひとつで、「どまつり」というジャンルを新しく作ることを目的としています。従い「よさこい」ではない、だから鳴子も不要になったという話も聞き、去年からは地方車(じかたしゃ・PA等機材をのせる車)も不要となっています。
代わりに、名古屋の文化を広めるのではなく、参加チームの地元の民謡の一節を取り入れることをルールとしています。
なぜ「よさこい」がこれほど広く広まったのか、その理由のひとつに、高知の「よさこい」が北海道で「よさこいソーラン」と変化し、名古屋では「どまつり」として形を変えながら発展している、この自由度の高さではないでしょうか。
次に「よさこい」のチームの特徴で興味深かったのがマネジメントシステムです。チームには、メイク班、衣装班、企画班、総務班、救護班、などかなりしっかりした組織がつくられています。仕事よりも全力で取り組まれている、と映る方もいるようで驚きました。背景には学生の「よさこい」チームで構築されているシステムをそのまま継続している点にあるそうです。振り付け、音楽、デザインは一般的には全部外注するそうです。
とにかく「よさこい」のエネルギーは凄いと感じました。そこで「ひなた」のチーム運営方針を伺いましたが、やはりそのチーム作り自体がエネルギー密度の高いものでした。
学生の時の楽しい思いを社会人でも継続したいと思いチームを作られた
チーム名は、楽しい・明るい・暖かいのイメージである太陽、この「陽」を訓読みで「ひなた」とした
運営方針はメンバーファースト、作品・踊り・企画、などメンバーが楽しいと思うこと最優先する
参加して欲しい人は、普段何もやることが無い人生詰まんないと思っている人、家と会社だけを往復だけしている人
費用は会費制としており、出演するほど費用効果のあるシステム、月1回くらいの出演機会を用意
このような運営方針の結果、「ひなた」の魅力を以下のとおりとおっしゃっていたのが印象的でした。
学生時代に青春を逃した人にとって、もう一回青春が体験できる
誰も約束していないのに週1回なんとなく皆が会う場所がある
当方は「阿波おどり」側の立場で参加したため、相手方となる「よさこい」の魅力に焦点が集まってしまっておりますが、当企画の参加者からは、「阿波おどり」の良さは、逆に型があることにより変化しづらい点、及びその中での型の奥深さが魅力と映ったようです。
当企画の様子は以下に動画にまとめておりますのでご覧ください。当記事は内容の一部であり、本当に素敵な、そして非常に内容の充実した対談になっておりますので、少々長いですが是非ご覧になって下さい!
藤棚連として、また藤棚地区のイベント作りに大いに参考にさせて頂きます。
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